■スティーブン・ブラウン
■ダイヤモンド社
■知的収入のエッセンス
・TEASEとは
T:トリック
E:限定
A:増幅
S:秘密
E:エンターテイメント
・マーケティングはものを売ることであり、その本源的行為に建前論的きれい事を持ち込むべきではない。
・顧客を大切にしないで成功している企業が多数ある。
・マーケティングは芸術性をもっと強調しなくてはならない。
・顧客データの分析活用に専念しすぎで、売り手と書いてのダイナミズムな関係性を失う企業が多い。
・顧客主義は王様であるというのは既に死語である。
・成功するためには顧客をからかって苦しめなければいけない。
・顧客にへつらうことはブランドを殺す。
・誰にも追随できない注目度を浴びるため、PRで「大声をあげること」が必要になる。
・「他社より入手が難しいこと」が大事。
・「他社より目立つこと」が大事。
・競合がだれも顧客第一主義を主張する中で、競争優位を発揮することは難しい。
・問題は「どれもたくさんありすぎること」である。
・つまり「不足が不足している」。希なことが希である。
・顧客を無視することは利益を生むこともあるという事実がある。
・マーケティングにおいては「より多いことが退屈」である。
・「今日はあるけど明日にはないかも」という新商品開発方針と、わがままといえるくらい風変わりな流通方針との組み合わせ(→ビーニー)
・エルメスのバーキンはアンチ顧客志向が実行に移された例。
・都市伝説の商業版を作り出す。
・エルメスは廃棄物置き場、未使用地下鉄駅などの意外な場所でファッションショーを行うことでも有名。
・「お客様のために」→うそぶいている企業。
・大企業の殆どはお客なんて好きじゃない。
・大企業による搾取に反対するスターバックスを、自分自身の搾取行動を巧みに覆い隠していると考える顧客が大勢いる。
・消費者はまるでゴキブリのようだ。マーケティングという名のスプレーをするとしばらくは効果があるが、彼らは必ず免疫力・抵抗力を育成する。
・消費者はもはや無邪気に広告を読まず、その裏側のマーケティング意図を読み取ろうとする。
・消費者はマーケティング事情に精通している。
・企業は消費者がマーケティング事情に精通していることを知っている。
・消費者は企業は消費者がマーケティング事情に精通していることを知っている。
・顧客は常に正しいわけではなく、自分が欲しいモノを知っている訳ではない。
・顧客意図に沿った商品を市場煮出したばかりに多くの企業が滅亡した(イノベーションのジレンマ)。
・顧客は正しいどころか企業の死に神にもなりうる。
・企業は、顧客にこびへつらって迎合するのではなく、また、完全に無視をするべきでもない。
・本物志向への動きが現代マーケティングでは顕著。
・しかし「真性の本物」とは入手不可能であり、ホンモノに見せるマーケティングは作り出すことが出来るし、思わせることは出来る。
・昔ながらのハードセル広告は、洗練された消費者にも素朴な消費者にもともに効果を発揮する。
・企業は頂点に達した瞬間に崩壊プロセスの第一歩を歩み出す。
・近年のマーケティングタイプの基本的問題は、どれも顧客志向という失墜したアイデアをよりどころにしていると言うこと。
・企業は今後も更に更に深く深く顧客に頭を下げ続ける、その平身低頭さ飲みで商売をしていくのだろうか?これは間違いである。
・抜本的に新しいアイデアはアウトサイダーや異端者、気にもとめていないところ、最も予期しないところからもたらせる傾向がある。
・マーケッターも時には芸術や文化の領域からインスピレーションを得るべき。
・マーケティーズとは顧客を全く無視するわけではない。顧客志向という概念を無視するだけである。
・手に入りにくいそぶりをすることで多くのことを達成する。
・顧客に追いかけられるようにするべきである。
・顧客から何かを奪うことが競争優位につながる。
・顧客はじらされ、からかわれ、苦痛を与えられるべきである。
・他にもよりよい商品があるが、似たり寄ったりのクローン商品で世の中は溢れている。
・顧客を無視すると言うことは、だましたり、弄んだり、裏切ることとは違う。
→ 1.顧客無視で欲望を増大させる。
→ 2.顧客否定で決意を強固にさせる。
→ 3.顧客を拒み欲望を増大させる。
→ 4.欲望成就を引き延ばし顧客の心を動揺させる。
→ 5.待たせて待たせてロイヤルティを促進させる。
→ 6.商品提供を停止して心の動揺を促進させる。
・人生は広告である。人間は絶えず自分のことを宣伝すべきである。
・全てのパブリシティは良い宣伝である。それが例え法廷闘争のマイナスイメージパブリシティであっても。
・大衆はたやすく自分のところにやってくるものを価値があるとは決して思わない。
・トリック・・・真実を誇張した仕掛けで売る。
・手に入りにくそうに見えれば見えるほど、客はそれを欲しがる。
・ドナルドトランプは、モノを売ることは客にひれ伏すことではないことをよく知っている人物である。
・「誠実な誇張」がマーケティングでは重要視される。
・取引でしてはいけない最悪なことは、その取引をしたいと必至に思っていることを見せることである。
→ 常に強い立場から取引を開始することがベストである。
・レバレッジは相手が欲しがっている何かを持つことである。
・トリックスターは人を混乱させ、当惑させ、だます。マーケティングと要は同じである。
・企業が商品を動かす策略にトリックスター的キャラクターを使うことが多いのは偶然ではない。
・実際よりももっと大きく、良く、大胆で、ベスト中のベストであるような印象を出すことに勤める。二番目では駄目。一番目にベストであること。
・「否定すること」はトリックスターの企みの中心である。
・最も効果的な方法として自分はトリックスターではないふりをすること。
・セグウェイ…大風呂敷と大袈裟を燃料に動いたトリックスターの例。
・必要な要素、声高であること、誇張すること、人目を引くけばけばしさ、派手で俗っぽい陽気さ。
・ブランドもトリックスターになることが出来る。
・ずるがしこい販促運動…ブレアウィッチプロジェクト。
・なんらかの報酬、あるいはだまされた人がペテンを面白く味わうことが出来るような楽しいユーモアが見返りとして存在しなくてはならない。
・更に、最終的にはホンモノを届けることをしなければならないのは言うまでもない。
・ディーンカーメン。
・芸術家の中に偉大なマーケッターを見つけることが出来る。
・限定…束の間と欠乏で狂乱させて売る。
・需要量を最初から満たさない販売量に設定をするべき。
・人々が少ないモノを巡って争奪戦を繰り広げる様子はニュースになる。
・チャンスはその数が少なければ少ないほどより価値があるように見える。
・ディズニー…選りすぐり商品を販売しては直ぐに引っ込める。
・数量の限定、時間の限定。
・ファッション業界は「束の間」を販売している。
・見込み客からの電話には返事をしないように支持されている。
・エルメスバーキンは、わずかさ、手に入りにくさ、少なさに支えられている。
・実はダイヤモンドというものはそれほど稀なものではなかったりする。
・買い手は帰るだけでもありがたく思えという考え方。
・販売期間終了の契約を無視してはならない。
・誰もが所有するようになれば繁栄の終わりは近くなる。
・少数熱狂者グループに信奉ある企業は、成長=死となる。
・ビジネスに留まりたいのなら、そのまま拡大せずに留まっているべき。
・何かを得るために多くの問題や苦痛を経験した者は、最小限の努力で同じ結果を得た者よりも、獲得した結果により高い価値を置く傾向にある。
・顧客の全てのニーズに迎合すれば飽きられる。客が要求する者を拒否して、彼らの生活に困難を与えることが必要になる。
1.生産を減らす
2.流通を制限する
3.価格を上げる
4.広告を含むコミュニケーション活動を2倍にする
5.商品の種類を整理する
6.品質に関して妥協することを拒否する
7.顧客を待たせる
8.ブランド再生をドラマチックに競合に知らせる
9.再び始まった成長を喜ぶ
10.融通性を維持する
11.何がブランドを偉大にしたかをもう一度考える
12.うまくいかなかったらステップ1に戻る。
・グッチ…中世の皮職人の末裔とかいう最もらしいストーリーを作り上げている。
・人間の虚栄、うぬぼれ、自尊心にアピールをすること。
・アメックスは高級限定のイメージを取り戻しつつある。
・芸術家は宣伝上手…ダミアン・ハースト。
・噂になっていることを噂にして売る。
・その他大勢から目立つにはどうするべきか…答え「大声を出す」。
・「話題になっている」という事実を話題にするべき。
・経営者の自叙伝。
・小説の部隊にして貰う。
・ビジネススクールのケーススタディとして取りあげて貰う。
・リスクは高いが、最も安上がりな噂増幅方法は「挑戦的な態度を取ること」。乱暴で無法な行動を取る者に人々の耳目は集まる。
・挑戦的な広告は、道徳的な一般大衆を逆上させることができる。
・挑戦的な態度は(好きであろうとなかろうと)金儲けにつながる。
・禁止されるということは、ビジネスには好結果をもたらす。
・検閲させることもまた然りである。
・敵対することは挑戦することと同等の効果をもたらす選択肢である。
・どのブランドも「敵」が必要である。
・企業同士の喧嘩は大きな観客を集めることが出来る。
・抜け目ない企業は「訴訟」をPR増幅効果の素材として利用する。
・今日におけるパブリシティメカニズムは複雑で、矛盾した結果、ひねくれた結果をもたらすことも大変に多い。
・あぶるソートの成功はマーケティング教科書に書かれていることと反対のことをしたから。
・「外部のメディアに漏れてしまった」という形を取るマーケティング・戦術。
・商品の「マーケティング手法」についてメディアに書かせることで、より一層の増幅が見込める。
・「秘密」「謎」の要素を活用。「あれは誰なんだ?」「これは何なんだ?」
・実在しない映画予告集をPR→実はベンツSL500のPR。
・ミステリーギフトは大変に効果的。
・「秘密」は売れる。
・「○○の秘密を知っている」と標榜する企業が如何に多いことか。
・秘密のスパイスと言われたKFCフライドチキンの香辛料だが、実は単なる塩こしょうだった。秘密を保持することで、商品を高価にし、PR効果もあった。秘密の材料の秘密は、秘密が存在しなかったと言うこと。
・アトランタの金庫に密封されているというコークの秘密のレシピ。
・客のこないペットショップ。水だけ入ったショーウィンドウに「透明な魚」が入っているとして見物人を集めた。
・顧客は一般的にマーケッターを愛してはいない。
・マーケティングは「誘惑」であり、客の奴隷になることではない。
・秘密がPR成功の秘密である。
・エンターテイメント・・・想像を超えた驚きと変化の素早さで売る。
・エジソンは報道陣を操るのが乗ずで、宣伝のために人目を引く工夫をすることに関しては大家だった。
・エジソンは宣伝に役立つなら、物議をかもすのも平気だった。何もしていないのに、重要な問題を解決したとよく主張していた。
・エジソンが雇ったPRマンは、競合が発明した交流発電機の危険性をアピールするために、公衆の面前で猫・犬を感電死させた。
・過剰と軽薄…ラスベガスはその安っぽい悪趣味を誇りにしている。
・マーケティングとは「過剰・誇張・豊潤ほど成功するものはない」。ただ短命ではあるが。
・現在ではどんなビジネスでもショービジネスである。
・そりゃ批判はある。しかし、似たような商品が並ぶその他大勢の中から目立つことが要求される。
・謎多く、エキサイティングで、人をびっくりさせ、真実は小出しにする。
・自らをブランドにするために、誰もが覚えやすい一語からなるステージネームで登場した人が居る。その名は「マドンナ」。
・マドンナは観客に迎合する事を拒否し、耳を傾けることを拒否し、無慈悲に苦しめじれったがらせ、からかい、魅了する。
・マドンナはスキャンダルを意図的に仕込み世間に広める。物議を醸し出すように計算し、計画的に挑発する。
・ハリーポッター…入手困難。発売の延期。在庫の欠如。事前情報を報道規制するが、何故か、意図的に一部だけ情報が漏れてしまう。原稿を厳重な銀行金庫に隠し、装甲車で書籍を本屋に輸送。足りない足りない…と言われつつも、何故か書籍にはきちんと本が行き渡る。全て意図的に実施。
・ニュース嫌いである、というレッテルをもった有名人ほどニュース価値がでる。
・TEASE理論は単独では機能しない。
・10代前半が夢中になっている物事は永遠には続かない。
・待たなくても良いモノなど誰も欲しくない。
・ただし限定があまりにも極端な場合は死に繋がる可能性もある。
・からかいすぎは怒りを買う…TEASEは万能ではない。
・他の誰かの反対をすることが賢いことが往々にしてある。他が価格を押すなら、サービスを。他がサービスなら、価格を強調する。
・最新マーケティングが通用しない?ならば1950年代のレトロマーケティングに戻ればよい。
・マーケティング以外の中核でない作業は全てアウトソースしても良い。
・ウソが巧妙で、創造的で、驚きを与えるモノならば、人間はだまされることが好きであることを喝破している人たちが居る。
・マーケティングには大言壮語の側面があり、その側面は群衆から目立つこと。それが益々現代は必要とされているのは間違いない。
・同じような商品・ブランドが並び立っている中では、誇らしげに、上から目線で高く聳え立つ事が必要となってきている。
・顧客志向は有効である。ただ問題は、どの企業も横並びで顧客志向になってしまっていることである。
・マーケティングは法外であること(他より目立つこと)と入手することが難しいことの合成物である。
・制限して大きくする。それをミステリーと限定のオーラで包むこと。
総評
原題は「Forget the Customer.Develop Marketease」。訳が下手くそなのか外国語のジョークが我々日本人に伝わらないのか、時々空回り名表現が見られる。しかし、PRマーケティング本としては大変によくできていて、知っている事例が多いモノの、改めて参考になる。問題は、日本人のメンタリティー(目立ちすぎることを好まない)がどうこのマーケティングに影響してくるかだが。
ポストモダン・マーケティング―「顧客志向」は捨ててしまえ!
スティーブン ブラウン
-------------------------------------------------------------------------
PR会社/東京銀座メディアブリッジコンサルティング TOP
-------------------------------------------------------------------------